さすがに前回の理不尽な態度に悪いと思ったのか、向こうから積極的に連絡してきたフィル。
昔だったら、この時点でブーブー不満を言うところなんだけど、なんかそれも疲れた、、、。昔の男ステューにも、約束を守ってもらえないときなんかに散々悪態をついてたけど、結局、そんな関係に自分で疲れてしまって店じまい。
フィルにも期待すればするほど、それが裏切られたときのストレスが重荷だなーって最近、冷静に考えられるようになってきた。だから前回のことも記憶に新しかったけど、まるでなかったかのように振る舞えることができた。大人になった証?
あ、ちなみにネットで見かけたこの写真の人もフィルに似てる。なんか目元の感じが同じ。
フィルは、ご多分に漏れずクローゼットのバイ男に多いパターンでいつもマイペース。自分が軽い口約束をして「いつでもOK」って言っておきながら自分の都合でドタキャンしたことをこれっぽっちも謝らない。
悪びれるところも見せず、いつも通り登場したフィルが、今回また新しい「キャラ」を披露してきた。
いつものパターンで「儀式」を進めてたら、上からフィルが、
"Like your daddy? "って話しかけてきた。
ダディーって、そう、あのダディーっすよ。日本でも話題の『ビッグ・ダディー』のダディー。
一瞬、聞き逃しそうなくらいの低い声だけど、はっきり聞こえますた。「ダディーのこと好きか?」って。ようはフィル自身がダディーのつもりになって攻めてるってことなのね。
よく、年上のタチ役が、年下を攻めるときに使うセリフ、、、。
興奮よりも驚きが先にきちゃって、慌てて適当に相づちをうつために"Oh yea"って返事。もちろん洋物ビデオで覚えたセリフ、、、。
そしたら、フィルの気分も上り調子になったみたいで、
"Yea? You like your daddy?"(えー、ダディーがええんか?←なぜか大阪弁)
って、ダディー・プレーが加速。確か、彼の方が年下なんですけど・・・。
彼にとっては自分がダディーになって相手を攻めるっていうシチュエーションが萌え要素なわけね。
今まで自分をダディーだなんて言ったことなかったのにね。また今日はなんで?
それにあれ以来、カラダを噛まれることもなくなったし。
フィルの場合、毎回、人格が変わったみたいになるんだよねー。最初の頃なんて、ウケ役をやりたいとかって言ってたのに、最近じゃ全然興味ないみたいだし。
僕のほうは髪型を変えるわけでもないし、着てるものだっていつもと同じ。態度も変えてる意識はないんだけど。
フィルって、なんでこう会うたびにプレーの内容がコロコロ変わっちゃうんだろ?
* * *
自分がダディーになったのがそんなに萌えたのか、この日、いつもとどこか違うフィル。
突然、フィルが体を離して深呼吸——
「イキそう。でもまだイキたくない」
いつもは遅漏気味のフィルにしては珍しい事態。やっぱ、気分が盛り上がると違うんだねぇ。彼の場合、自分でシチュエーション作りして自分一人で盛り上がってんだけどさ、、、。
いつもだと、こっちの体力の限界が先にきて、「もう走れません、コーチ、、、」って音を上げるんだけど。 今回は走り始めて500メートルの段階でフィルの足が吊ったみたいな状況。
もうちょっと頑張ってもらわないと、こっちだってやる気になってるわけだしね。スタートしたからには完走してもらわないとこっちも困る。
* * *
結局、この日はハーフマラソンで終了。いつもとスピードは落ちなかったけど、距離は半分、みたいな。もちろん、フィルのほうが先にゴールしたのは言うまでもなく、、、。
たまにはそういうこともあるよね。
その後、シャワーを浴びてバスタオルを巻いた体で部屋に戻ってきたフィルが、ベッドに横たわる僕に近寄ってハイファイブを求めてきた。しかも、結構な力が入った『バチン』って音がするやつ。
"It was great!"(とっても良かった)って。
こんな感想を言うなんて珍しい。
でもこのとき、ハッとしたのが、フィルにとって男とのエッチって、野球とかサーフィンと同じなんじゃないかってこと。うまくいったら、相手を惜しげもなく誉め称えてハイファイブ。
その代わり、感情的な執着心とかコミットメントとか複雑なことは一切ナシ。近所の公園でバスケットしたりビーチバレーする感覚と一緒。ナイス・プレーだったら、「やったね!」ってハイファイブ。そしてプレーが終わったら「じゃーまたねっ!」って。
こういうのを『スポーツ・セッ0ス』とか『セクササイズ』って言うんじゃない?!僕の場合、こういう関係になる相手には愛情が沸くし、恋人関係になりたいという感情がつきまとうんだけど、そういう感情を抱かない男の心理って、スポーツやってる感覚に近いんだなーって初めて理解できた気がした。
だけど、僕みたいに相手に恋愛感情を抱いてる側にとって、エッチの後にされた強烈なハイファイブは、ココロが平手打ちされたみたいに痛かったヨ・・・。
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