ラスベガスって、毎日が初詣。お正月、参拝客をかき分けて進む感じが、まさに今週のラスベガス。
毎晩、ネオンサインがギラギラで、砂漠の中に作られた人工物の塊の街。そんなストリップと呼ばれるメイン通りを一歩出ると、モールやコンビニ、ファーストフード点など、普通のアメリカの生活があった。
クリスマスイブの夜、シャンパンを買いにスーパーを目指したスタンレーと僕。既に夜9時近くを回ってたけど、10時まで開いてるチェーン店のVonsをネットで探して車を走らせて行ってみた。
すると、駐車場に数台車が止まってる。ぎりぎり間に合ったか?と思ったら、お店のドアが閉まってる。ネットで調べると10時まで開いてるはずなのに。
車を止めて入り口のドアまで行くと、クリスマスイブは夜9時に閉店すると張り紙に書いてある。他にも僕らみたいにギリギリ間に合わなかったアメリカ人カップルが数名。
僕らは諦めて車に戻ろうとすると、道の反対側にあるセブンイレブンを発見。
「ラスベガスだから、セブンイレブンにもお酒置いてるんじゃない?」と僕。
二人で直行してみて驚いた。セブンイレブンの店内に、スロットマシーンが!しかも、イブの夜に、若い白人女性がスロットマシーンを打っている。 この異様な光景を目にして、どんなきらびやかなホテルやネオンサインを見たときよりも、ラスベガスにいるんだなって実感した。
セブンイレブンにお酒は売られていたけど、ビールと数種類のワインだけ。さすがにシャンパンは置いてない。店員に聞くと、この近くにリカーショップがあるという。
「そこはクリスマスイブにも開いてる?」と念のために聞いてみた。
「俺が去年のクリスマスイブの夜、酒を買いに行ったのを覚えてるから、今晩もきっと開いてるぜ」
地元の人が言うことだし、ワンブロックも離れてない場所ということで行ってみた。店員が言った通り、クリスマスイブの夜9時過ぎに、そのリカーショップは開いていた。しかも、怪しげな地元客が数名、吸い込まれるようにお店に入っていく。
このリカーショップに入ると、そこにもスロットマシーン。結婚も、ドライブスルーでできるって言うのが頷ける。 ストリップでも屋内外でタバコを吸う人がやたらと目に付くし、路上で歩きながらお酒を飲めるという、アメリカにしては珍しい光景も久々に目にした。ここがSin City(罪の街)の異名を持つわけだ。
シャンパンを2本買い込んで、お会計をしようとすると、明らかに中南米出身の移民男性が、僕に身分証を聞いてきた。Sin Cityなのに、レストランでもお酒を注文すると必ず身分証の提示を求められる。緩いんだか、厳しいんだか。
すると、このレジのおっちゃんが、なまりのヒドい英語で、
「どこから来た?(Where are you from?)」と聞いてきた。
外国に住んでる日本人にとって、この質問をさると困ることが多い。今住んでる場所を答えるべきか、それとも出身地を答えるべきか。でも、だいたい、この質問をしてくる人は、民族的な出身地を聞いてくる人がほとんど。なので、僕は「日本です」と答えた。
すると、このメキシコ系のおっちゃんの隣にいた中東系のお兄さんが会話に参加してきた。
「日本?あのボーンっていう爆発があった」
ボーンっていう爆発?あー、原発のことか。こんな日本に縁もゆかりもない移民の人が、今、日本って聞いて最初に連想するのがあの爆発事故なんだ。
「日本に比べたら、ラスベガスは何でも安いだろ?」とも聞いてきた。
「いや、そんなことないよ。ストリップのホテルとかレストランは、どこも高いよ」と答えたけど、納得してもらえてないような表情。
「いや、日本はなんでも高いって知ってるぜ」
やっぱりそういうイメージなのか、日本って。
会話したことでよく思ってくれたのか、シャンパンの値段を少しおまけしてくれた。メキシコ系のおっちゃん、グラシャス。
ラスベガスって、直接は観光客相手のサービス業に携わってないような地元の人たちも、観光客慣れしてるなって思った。人懐っこいし、よく話しかけてくる。その気さくな感じは、アメリカの他のどんな街とも違う。
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